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家康入神伝―江戸魔道幻譚 ( その他 )

 橋本純著「家康入神伝―江戸魔道幻譚」を読んだ。
 風水都市江戸の誕生の秘密、そして天台密教僧の仏力と陰陽師の使役が激突する歴史ファンタジー。

家康入神伝―江戸魔道幻譚 (ハルキ・ホラー文庫)
家康入神伝―江戸魔道幻譚
著者:橋本 純
出版社:ハルキ・ホラー文庫
出版日:2000-08
Amazon.co.jp で詳細を見る

 お気に入り度:★★★★

 徳川家康の江戸転封に伴い、天海が江戸繁栄のために神社仏閣の配置や風水などを利用した都市造りを行った、という都市伝説を元に描かれた歴史ファンタージ小説。

 物語は、家康の江戸転封から始まり、大阪夏の陣を経て徳川幕府の体制を盤石のものとしたあと、家康が東照大権現として日光東照宮に祀られるという歴史的流れを描きながら、徳川家の発展に力を貸す天台密教僧たちと豊臣・朝廷側を守ってきた陰陽師たちとの暗闘を描いている。

 本書の見所は、天台密教の修験僧たちと土御門家の陰陽師たちとの暗闘にある。
 特に、真言を唱え菩薩や明王たち仏の力を得る天台密教の修験僧たちと、その場所にある気や怨霊などの力を利用し使役する陰陽師たちの直接対決シーンはなかなか面白い。

 ところで本書のテーマである江戸の都市作りにおける謎の回答として、天海や東甫たち天台密教の僧たちが江戸の地に眠っていた龍と未だ強い怨念を放つ平将門の怨霊を利用して、江戸を発展させる方向へと道をつけていくことが描かれている。
 このような大まかな部分は良かったものの、気の流れを整備するためにどこに神社仏閣を配置し、どのように風水を利用したのかが具体的に書かかれておらず、物足りなさを感じた。

 あとがきには、『江戸を巡る呪術的背景は十分に説得力があると思うのですが……これが私流の江戸の謎解きの回答であると受け止めていただければ幸いです』とあるが、確かに背景はしっかりとして説得力が感じられたが、個人的には具体的に行ったこと、例えば、実際に研究(噂)されている天海による江戸の町作りと符号させ、読んでいてその配置が俯瞰できるようなものであったら、より都市伝説にリアリティが帯び、深みが増したのではないかと思う。

 ということで全体としては、風水による江戸の都市作りの謎を解き明かす小説というよりは、戦国歴史小説に天台密教の修験僧と陰陽師が呪術を駆使して戦うファンタジー小説を融合させた色合いが強い小説だと感じた。

 家康が入神していくシーンでは、感動を誘う場面が用意されており、そのままエンディングにつながっていくので物語をスッキリと読み終えることができた。

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星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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