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悲愁の剣 -長崎絵師通吏辰次郎-(瑠璃の寺) ( 佐伯泰英 )

 佐伯泰英著「悲愁の剣 -長崎絵師通吏辰次郎-(瑠璃の寺)」を読んだ。
 スピーディーな展開が魅力のミステリー時代小説
 元々は「瑠璃の寺」として刊行されていたが、文庫本化に際して「悲愁の剣 -長崎絵師通吏辰次郎-」と改題されたもの。

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悲愁の剣―長崎絵師通吏辰次郎 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
著者:佐伯 泰英
出版社:角川春樹事務所
出版日:2001-10
Amazon.co.jp で詳細を見る

 お気に入り度:★★★

あらすじ

 長崎代官季次家は抜け荷の罪で、一族が隠岐へ流罪となった。
 無実を訴える季次茂智は再吟味の願いを出すも、その二ヶ月後、何者かによって季次一族は皆殺しにあってしまう。
 茂智の息子茂之と妻の瑠璃と幼なじみで、長崎で唐絵目利の次男だった通吏辰次郎は、密かに匿われていた二人の遺児茂嘉を隠岐から連れだした。
 辰次郎は幕府に事件の再吟味と末次家の再興を果たすため、茂嘉を伴い江戸に向かう。
 辰次郎は非人頭の善七と出会い、善七達の力を借りて目的を果たそうと動き出すが、様々な事件が辰次郎を襲う。

感想

 読み終えると単行本のタイトルだった「瑠璃の寺 -長崎絵師通吏辰次郎-」の方が、しっくり来るような内容だった。
 それほど、この瑠璃の寺が一つのキーにもなっているし、クライマックスの舞台にもなっている。

 読み始めて、まず思ったのがどうもセリフに違和感を感じるということ。
 辰次郎と善七が二人で会話しているにもかかわらず、辰次郎のセリフの最初には「お頭」が付くことがあったり、説明不足のため、急な展開のセリフが飛び出してきて、「?」と思う事があった。
 例えば、

「・・・茂之、瑠璃、それがしの三人は身分も家柄も違っておりましたが、幼い頃から兄妹のように付き合ってきたのです。・・・中略・・・瑠璃を誘っては唐船にもぐりこんだりして遊んだものです。・・・」

 とこの程度しか、善七と「あした」に話していないのに、「あした」が

「・・・通吏様、なぜ瑠璃様から身を引かれたの、長崎代官の子に遠慮されたの、なぜ国を捨てられたの。瑠璃様を殺したのはあなた様だ」

 と、辰次郎に説教された時に突然言い出している。

 その他にも辰次郎のセリフが「・・・だ。・・・だ」と言っていると思えば、「・・・じゃ。・・・じゃ」と言っている事もあり、話し方の不統一が気になった。

 と読んでいて気になる点が多々あったが、ストーリーは面白かった。
 元々ミステリーを書いていた作家だけあって、この後辰次郎や善七達はどうなってしまうのか、能の若女の面を着けた老中の側妻は誰なのか、辰次郎と同じ真心影流を使う黒覆面の武士は何者なのか、そして瑠璃堂は。
 などなど、前半は上記の気になる部分に苦しめられ、読むのが辛かったが、中盤あたりから話が進みだし、物語へと集中する事ができた。

 池波正太郎や藤沢周平のような奥深さや絶妙な感動はないものの、ミステリーとストーリーを楽しむ時代小説といったところか。
 その後長崎へ戻った辰次郎達を描いた、「白虎の剣 -長崎絵師通吏辰次郎-」があるので、今度読んでみようと思う。

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HN:yososuzume
星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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