忍者ブログ

Reading Books [ 書評・ブックレビュー ]

Home > 奥田英朗 > 空中ブランコ

空中ブランコ ( 奥田英朗 )

 奥田英朗著「空中ブランコ」を読んだ。
 トンデモ精神科医・伊良部一郎が活躍するシリーズ第二弾。
 奇妙な症状に悩む患者の滑稽な姿と患者を弄ぶ伊良部が読者を腹痛にさせる。

空中ブランコ
空中ブランコ
奥田 英朗
文藝春秋 2008-01-10

by G-Tools , 2011/02/01

 お気に入り度:★★★★

 精神科医・伊良部一郎が強烈なインパクトを持って登場した、第一弾「イン・ザ・プール
 この第二弾「空中ブランコ」も、伊良部のすっとぼけた治療と強烈なキャラクター、そして伊良部に負けず劣らず妙な症状に頭を悩ませる患者たちのパワーは相変わらずだった。

 本書は全5話の短編を収録。

空中ブランコ

 サーカスの花形・空中ブランコやるリーダー的存在の男が、突然失敗を繰り返すようになった。
 その原因は新しくやってきた受け手の男が下手くそに違いないと悩み、やがてサーカス団内でもめ事を起こした。

ハリネズミ

 先端恐怖症に悩むヤクザ。
 彼の症状は次第に重くなり、サンマの頭や机の角にも恐怖を覚えるようになってしまった。出入りがあった日には腰抜けを演じてしまうと悩む。
 サングラスでなんとか症状の緩和を試みるが。

義父のズラ

 伊良部の大学の同期で大学病院勤務の男は、学部長の娘と結婚し、出世コースを歩いている。
 以前はよく悪ふざけをしていたのだが、窮屈な環境にストレスを感じ始め、堅苦しい席で派手なことをやらかしたい衝動に駆られ始めた。
 そして誰もが気付いているが黙っている義父のズラに手が伸びる。

ホットコーナー

 サードを守るベテラン選手は一塁への送球が怖くなった。
 ある野次をきっかけに大暴投し、それからまったく上手く投げることができなくなったからだ。
 肩痛と偽り二軍で調整するが、それとは対象的にルーキーは活躍する。

女流作家

 ベストセラーをだしたことのある流行女流作家。
 彼女は登場人物の職業がこんがらがり、以前書いた小説に使った職業ではないかと気にするあまり、これまでの作品をチェックを繰り返すようになった。
 小説を書き始め職業の段になると胸がざわつき、吐き気が襲ってくる彼女は精神科を訪れた。

 各話の患者をピックアップしてみたが、どれも個性的な?症状である。
 妙な症状に悩む患者たちの痛々しくもどこか滑稽な姿に加え、救いを求めにやってきた患者を困らせるような治療は相変わらず面白く、伊良部の異常な治療方法に嫌々ながらもそれに引きずれられていく患者たちの姿も面白い。

 患者はスッキリ全快し、変態的な精神科医・伊良部は、もしかしたら名医なのでは?と思わせるラストばかりなので、どこかパターン化しているような雰囲気はあるものの、読み始めると患者の悩み様に笑い、伊良部の行動に笑い、ラストにホロッとさせられる。

 第三弾「町長選挙」も文庫本化されているので、そのうち読んでみよう。

イン・ザ・プール
イン・ザ・プール
空中ブランコ
空中ブランコ
町長選挙
町長選挙
奥田 英朗
 文春文庫
by G-Tools , 2011/02/01
スポンサード リンク

コメント

※本サイトと関連のない内容のサイトのURLが入力され、宣伝行為と判断した場合、コメントを削除することがあります。
名前
サイト(任意)
コメント
※コメント欄に表示されている文は認証ワードになっていますので、削除せずにそのままコメントをご記入ください。

ページトップへ

プロフィール

profile
HN:yososuzume
星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

Twitter:@yososuzumeをフォロー

mail

PR

アーカイブ

ブログランキング

  • 人気ブログランキングへ
  • にほんブログ村 本ブログへ
  • にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
  • blogram投票ボタン
  • 池波正太郎
  • 藤沢周平作品を語ろう
  • 本好きPeople

Copyright c2008 Reading Books All Rights Reserved
忍者ブログ [PR]