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あかんべえ ( 宮部みゆき )

 宮部みゆき著『あかんべえ』を読んだ。
 亡者たちの悲しき過去。十二歳のおりんが因縁を紐解き亡者を解き放つ、余韻暖かな怪奇譚。

 お気に入り度:★★★★★

あかんべえ 内容紹介(裏表紙より)

 江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終わろうとしていた。主人の太一郎が胸を撫で下ろした矢先、突然、抜き身の刀が暴れだし、座敷を滅茶苦茶にしてしまう。亡者の姿は誰にも見えなかった。しかし、船屋の十二歳の娘おりんにとっては、高熱を発して彼岸に渡りかけて以来、亡者は身近な存在だった――。この屋敷には一体、どんな悪しき因縁がからみついているのだろうか?

 料理屋ふね屋に現れる五人の亡者。
 宴席で暴れたおどろ髪の男、あかんべえをする少女、美男の侍、あだっぽい姉さん、按摩の爺さん。
 彼らを見ることが出来るのは、ふね屋の十二歳の娘・おりんだけなのだ。
 おりんは、彼らと心を交わしていくうちに、ふね屋との深い因縁を知る。
 彼らの哀しき過去を知ったおりんは、亡者たちを成仏させるために、複雑にからまった因縁の紐を解き始める。

 因縁の謎を解き明かし、彼らの成仏までを描くストーリーは、読み出したら止まらなくなる宮部みゆき得意のミステリー。
 宮部みゆきの怪奇時代小説のほとんどは、起こった怪奇現象にまつわる人の哀しき性を描いているものが多いが、この作品は、亡者の哀しき過去に焦点を当て、亡者たちを縛りつけている因縁を紐解き、彼らを成仏させる。
 この作品に味わいが感じられるのは、紐解かれる因縁の謎に刺激される好奇心とは別に、おりんと亡者たちの心温まる交流があるからだろう。

 一連の亡者騒ぎを通して、亡者達の悲しき過去にやり切れない気持ちにさせられるが、一人また一人と、因縁が紐解かれて亡者が成仏していく様は感動的だ。
 5人の亡者が現れる怪奇、因縁の謎を追うミステリー、おりんと亡者たちの交流する人情。
 三つの味わいが楽しめるこの作品には、暖かな余韻が残った。

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ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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