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人質カノン ( 宮部みゆき )

 宮部みゆき著『人質カノン』を読んだ。
 非現実的な部分を気にするか、登場人物のもの悲しさに共感するか。

 お気に入り度:★★★

人質カノン 内容紹介(裏表紙より)

「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。
 事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、たまたま出あった中年女性が遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。

 ストーリーはつまらなくはないが、ミステリーの味は薄く、現実的でない状況の方が気にかかって、それほど物語に引き込まれない。

 収録の中の一編【過去のない手帳】は、アドレスが一件しか記入されていない手帳を拾った大学生が、持ち主の女性は行方不明だと新聞で知り、女性の事を調べ始める、という物語。
 大学生にストーリーテラーのような役割を持たせたのだと思うが、手帳を買ったものの、ものぐさでメモやアドレスを書かない人かもしれないし、物好きでもこんなことしないんじゃないのかと思う。
 大学生は好奇心から女性のことを調べ始めるが、読んでいる方は好奇心は湧かない。
 そういう大学生の行動への違和感が引っかかって、手帳の持ち主は誰で何をしているのかという興味も湧かず、物語に引き込まれなかった。
 個人情報に敏感となった現在では、なおさら違和感を感じてしまう。

 表題作【人質カノン】も同様に違和感が残る。
 コンビニに居合わせたOL、中学生、サラリーマンは強盗に遭遇。
 やがて強盗は逃走するが、焦点は、強盗が落としていった赤ん坊のガラガラへ。
 強盗とガラガラの不釣り合いな取り合わせに物語は進んでいく。

 コンビニ強盗の人質になった少年『眼鏡くん』、OLの逸子は、強盗が拳銃を持っているわりに冷静で、しっかりと状況確認をしており、冗談を言うほど落ちついている。
 人質になったからと言って、泣き喚かなければいけない訳ではないが、そこに怯えの気配がないのが気になった。
 また、強盗とガラガラの取り合わせに、それほど興味も湧かず、物語に入っていけなかった。

 もっとも作者は、それを承知で、主人公の置かれた状況のもの悲しさを描いたのかも知れない。
 非現実的な部分に引っかかってしまうか、登場人物のもの悲しさに共感するか。
 結局、楽しめるかどうかは、読んでみるしかない。

収録作品

 人質カノン、十年計画、過去のない手紙、八月の雪、過ぎたこと、生者の特権、漏れる心。

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