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今夜は眠れない ( 宮部みゆき )

 宮部みゆき著『今夜は眠れない』を読んだ。
 母に五億円が寄贈された真実。息子が母の過去を調べるのに違和感も。

 お気に入り度:★★★★

今夜は眠れない 内容紹介(裏表紙より)

 サッカー少年の僕と両親、平凡なはずの一家に突如暗雲が。「放浪の相場師」と呼ばれた男が、母さんに五億円を遺贈したのだ。お隣さんや同級生の態度が変わり、見知らぬ人からの嫌がらせが殺到、男と母さんの関係を疑う父さんは家出――相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか? 壊れかけた家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と、真相究明に乗りだした……。

 中学一年の僕と、将棋部のエースで頭の良い親友の島崎が、母の五億円遺産相続事件の真相を明らかにしていく、少年探偵風ミステリー。

『放浪の相場師』から遺産五億円が、なぜか僕の母に。
 それを知った周囲の態度は一変。
 騒々しいのは周りだけじゃない。
 僕の父が、相場師と母の関係を疑って家出をしてしまったんだ。
 僕は、頭の良い親友島崎の助けを借りて、五億円遺贈の真相究明に乗り出した。

 五億円遺贈の真相を知りたいという好奇心に駆られて、あっさり読み終えてしまうほど面白い。
 五億円遺贈の裏に色々な人の思惑があって、ついつい夢中でページをめくっていた。

 ただ、読み終わって冷静になってみると、現実味は薄くて、主人公の『僕』には共感できかねる部分があった。
 気になったのは、母の知られざる過去を明らかにしていく部分だ。
 いくら五億円寄贈によって家族がゴタゴタし、家族崩壊の危機を止めようとするためだからといって、家族にも打ち明けていない母の過去をほじくり返していいものだろうか。
 母に聞いても、はっきりした答えが返ってこないからといって、探偵まがいのことをして、まだ開けられたくない母のタイムカプセルを勝手に開けていいものだろうか。
 言葉を濁すと言うことは、まだ真実を話す準備が出来ていないということだ。五億円寄贈によって家族が揉めたのは事実だが、母はしっかりと否定しているし、父が勝手に母と相場師の関係を疑っただけのこと。

 著者は、母の過去を知り、さざ波立つ思春期の少年の心を描きたかったのかも知れないけれど、母の過去を無断で調べ上げることに罪悪感のようなものが感じされなかったのが残念だった。
 そういう子供の悪意なき行動も描いているのだとすればさすがだ。

 続編には『夢にも思わない』がある。

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