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堪忍袋 ( 宮部みゆき )

 宮部みゆき著『堪忍袋』を読んだ。
 怪異が人の情を悲しく切なく浮き彫りにする8編。

 お気に入り度:★★★★

堪忍袋 内容紹介(裏表紙より)

 蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかる……。決して中を見てはいけないというその黒い文箱には、喪の花・木蓮の細工が施してあった――。物言わぬ箱が、しだいに人々の心をざわめかせ、呑み込んでいく表題作。
 なさぬ仲の親と子が互いに秘密を抱えながらも、寄り添い、いたわり合う「お墓の下まで」
 名もなき人たちの日常にひそむ一瞬の闇。
 人生の苦さが沁みる時代小説八篇。

 爽やかなもの、後味の悪いもの、さまざまな後味が詰まった時代短編集。
幻色江戸ごよみ』同様、怪異現象に関わる人の情がもの悲しい。

 収録されている8編の短編の中で印象に残っているのは、【堪忍箱】と【敵持ち】
【堪忍箱】は不気味な後味を残し、【敵持ち】は読後が爽やか。その対照的な味わいが、互いの味を引き立て合い、それぞれ隠し味のように作用しているように感じられた。

堪忍箱

 近江屋に先祖代々伝わるという堪忍箱。
 近江屋の主人は、その箱を膝に乗せ、「堪忍、堪忍」と呟いていた。
 しかし、それを開けると災いが降りかかる。
 そして近江屋の主人が急死したあと、その箱は娘のお駒に引き継がれた……。

 蓋を開けたら災いが降りかかるという堪忍箱にまつわる出来事を描いた物語。
 不気味な後味を残すこの作品は、誰もが心の奥底にしまっているものを描いているようにも思われた。
 それが現実に堪忍箱として存在していたら、開けたいという誘惑に勝てるだろうか。

敵持ち

 命を狙われている板前の加助が用心棒を依頼した、同じ長屋の浪人・小坂井又四郎。
 又四郎は、加助のゴタゴタに収まりがつくと、それから半月して長屋から姿を消した。
 長屋の差配人によると、又四郎は敵持ちらしかった。

 加助とのわずかな交流から明らかにされる、浪人・小坂井又四郎の正体。
 最後の一ページで見えてくる又四郎の人となりが、爽やかな気持ちにさせる。
 ただ又四郎の敵持ちの設定がおかしいのが気になる。

収録作品

 堪忍袋、かどわかし、敵持ち、十六夜の髑髏、お墓の下まで、謀りごと、てんびんばかり、砂村新田。

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