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理由 ( 宮部みゆき )

内容紹介(裏表紙より)

 東京都荒川区の超高層マンションで起きた凄惨な殺人事件。
 殺されたのは「誰」で「誰」が殺人者だったのか。
 そもそも事件の前には何があり、後には何が残ったのか。
 ノンフィクションの手法を使って心の闇を抉る宮部みゆきの最高傑作。

レビュー

 近所に住む女子中学生・片倉信子が、交番を訪れて、涙を一滴落とした。
「写真雑誌で見た人が、うちにいるの」
 彼女の家族が営む簡易旅館片倉ハウスに、『荒川の一家四人殺し』事件の犯人・石田直澄がいるという。
 そして石田から「もうくたびれたからお巡りさんを連れてきてくれ」と頼まれ、交番にやってきたらしい。
「石田さんは、人殺しなんかしていないんだよ」
 信子は、交番の石川巡査に、哀しそうに告げるのだった。
『荒川の一家四人殺し』の全貌を、超高層マンションの住人たちの断片的な証言の積み重ね、明らかにしていく。
 しかし、その全貌を知りたいという欲求が、いまひとつ湧いてこない。
 指名手配されているものの犯人じゃないかもしれない人物を登場させて、真犯人は他に存在するのかも知れないという謎を提示しているものの、読むのがしんどい。

 というのも、話が非常に長い。
 話がちっとも進まない。
 マンション住人の断片的な証言と、事件の状況や捜査状況を綴るルポ形式の報告的文章の連続であり、淡々とつづいていく物語に、読み進めていくモチベーションが湧いてこないのだ。
『じっくり集中して、多くの登場人物の証言を頭のなかで整理しながら、事件の真相に迫っていく』
 そういう決意がないと、この作品を楽しむのは難しそうに思われた。

 宮部みゆき作品で共通して面白いところは、
『絡まりに絡まった糸が読み進んで行くにしたがって、ちょっとづつ、ちょっとづつ解けていき、最後には一本の糸として話が繋がっていく』

 というもので、しかも糸の絡まり方が半端じゃないので予想が出来ない部分がまた面白い。
 終わり方もすっきりとしたものが多く、読破感が味わえるのもいいところ。
 しかし本作品では、上記のような宮部みゆき作品の面白さはあまり感じられず、淡々と進む物語のため、少々苦読した。

 この作品では家族というものに焦点を当てている。
 家族全員で協力し合って運営している簡易旅館・片倉ハウスに、指名手配犯の石田を訪れさせたのは、殺人事件で浮き彫りにされた家族と対比させて、家族というものの存在理由を描き出しているように感じられた。

 なお、この作品は第120回直木賞を受賞した。
 しかし、この作品より『火車』の方がはるかに面白いと思うのだが、他の人はどうだろうか。

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コメント

「理由」TVでやるんですか!ぜひ見なくちゃ!
と、思ったらWOWOW( <a href="http
TVになるとイマイチになってしまう事が多いと思うのですが、~~宮部さんの小説にハマるきっかけになった「火車」(宮部作品の中で一番面白いと思う)もTV化されたけど、話が早く進みすぎてあまり面白くなく残念だった。~~今回はどうなんでしょう。
早く地上波でやってくれないかな。

ちなみに「理由」を読み終えた今、次のターゲットは「模倣犯」にほぼ決定しています。(中古本出てないかなぁ)

国井さんの本は私も買っていて(あたバイ1、2、放浪レディー)、旅に出たくなる気分にさせる内容で楽しませてもらいました。

またちょくちょく小説を紹介するつもりなので、お楽しみに!
とく URL 2004/04/02 ( 金 ) 22:35:27
こんばんは。アイロです。

宮部さんの、直木賞受賞作ですね。もうすぐ、4月からTV始まりますよね・・・たしか?

以前「模倣犯」を立ち読みしていて、買おうと思ったら2000円近くして、それも上下巻。
「我慢しよ~」と、諦めそれっきりに・・・。映画も見てないし・・・。タイミング外した感じです。

今回は、テレビと本どっちにしようかなー。
又、楽しかった作品紹介して下さいね。

最近、遠出できないので、国井律子さんや雑誌のツーリング日記読んでその気になってます。
アイロ 2004/04/02 ( 金 ) 21:58:09
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