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黒祠の島 ( 小野不由美 )

 小野不由美著の「黒祠の島」を読んだ。
 近代国家から隔絶された島に起こる惨劇の数々。

黒祠の島 (祥伝社文庫)
黒祠の島 (祥伝社文庫)
著者:小野 不由美
出版社:祥伝社
出版日:2004-06
おすすめ度:
Amazon.co.jp で詳細を見る

 九州北西の島が舞台で余所者を嫌う住民という閉鎖された状況で話が進んでいく。

「黒祠の島」の裏表紙から

「そうーここは黒祠なのですよ」
 近代国家が存在を許さなかった”邪教”が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏みいれた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか?式部が最後に辿り着いた真実とは。

 舞台が島の中で展開していき、登場人物は兄、妹、甥、叔父など血のつながりが絡み合った親族間の話がこの小説の中心になっているので、頭がこんがらがりそうになりながらも読み終えた。

 ”邪教”は島をより孤立した存在に見せるための背景的なものだと思っていたが、中国の伝説上の動物を登場させるところが小野不由美らしいという感じがした。
 といっても小野不由美の著作は十二国記シリーズしか読んだことがないので、あくまでもイメージ。

 内容はミステリー小説に分類されるものだと思うが、小説を読みながら推理するにはちょっと複雑な人間関係もあって、前を読み返したりしながら読み進めていく事がしばしばあり、気持ちよく読み終えたとは言い難い。
 式部が島内の人間のアリバイを調べていく下りがしっかりとかかれているが、なぜか一部に手落ちがあり、あえて手落ちとして話を書いているのか、作者自体の手落ちなのかよく伝わってこなかった。

 最後は「一応」ハッピーエンドかな。

 式部はあれほどアリバイを調べておきながら、なぜ杜栄の言う事をそのまま信じてしまったのか?
 それ以上突っ込みようがなかったからなのか?
 作者はあえてそのようにしたのか?
 あれだけアリバイは?アリバイは?と調べておきながら杜栄だけ手落ち?という印象が強い。

 最後の種明かしは浅緋がしてしまうが、式部が苦労しながら調査したにもかかわらず行き詰まり、あっさりと浅緋が種明かししてしまうのも、急な展開のような気がした。蔵に閉じこめられていた浅緋が出てきた所では「おぉっ」と思ったが。

 そして、式部に犯人を見つけてくれと依頼しておきながら、なぜ浅緋は杜栄を殺してしまったのか?
『血の匂いを心地よいと感じたり、悲鳴や断末魔を愉しいと感じる』のなら、杜栄が秀明、信夫、弘子、永崎麻里(羽瀬川志保)の4人を殺した犯人と知っているのなら、なぜすぐに杜栄を殺さなかったんだろう?

 と疑問が沸きつつ、永崎麻里と羽瀬川志保は入れ替わっていた展開に驚き、浅緋が守護であり馬頭さんだった展開に驚いた。
 個人的にはストーリーでは楽しめ、内容には疑問が多々残るといった小説かな。
 それと小野不由美独特?の緻密な舞台設定も感じられた。

 次の小野不由美は「東亰異聞」だ。

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ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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