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おのぞみの結末 ( 星新一 )

 星新一著「おのぞみの結末」を読んだ。
 登場人物達がのぞむ結末は、絶妙な読後感を残す11編。

おのぞみの結末 (新潮文庫)
おのぞみの結末
著者:星 新一
出版社:新潮文庫
おすすめ度:
Amazon.co.jp で詳細を見る

 お気に入り度:★★★★

「おのぞみの結末」とは、読者にとってのおのぞみではない。
 物語に登場する人物の、おのぞみの結末を集めたこの作品群は、意外な結末とともに、絶妙な読後感を残す結末が描かれている。

一年前

 青年は人間そっくりの家事ロボットをレンタルした。
 彼の命令を忠実にこなしていたロボットだったが、日が経つにつれて、ロボットの調子が悪くなり始めた。

 夫婦の変化していく関係をユーモラスに描いた作品。
 家事ロボットを妻に見立てたこの作品は、当時の夫婦関係を表しているように思える。

ひとつの目標

 エフ博士の元に、「世界征服をめざすグループ」の一員が訪れた。
 ぶっそうな団体に腰が引けていた博士も、平等で平和な世界実現を掲げるグループの方針に共感し、頼まれた薬品の開発を始めた。

 社会主義と資本主義の欠点を描いた作品。
 極端に振り子を振ることで見えてくる世界がある。

あの男この病気

 おれはある男を追っていた。自分に残された時間はあと二ヶ月。
 熱っぽさを増す身体に鞭打って捜したが、男は見つからず、おれはやけになって宝石店に押し入った。

 子供の頃の遊びを社会システムに組み込み、ギャンブル的生涯を選択できる世界を描いた作品。
 人並み、平凡を良する日本の社会を風刺したようにも思える。
 同じ遊びを題材とした作品が近年出版映画化されたが、こちらの方はどうも……。

侵入者との会話

 拘置所から脱走してきたという青年が、女性の部屋に押し入ってきた。
 女性は、青年に内緒で無電機のスイッチを入れ、部屋の様子を外部に伝えて助けを呼んだ。

 サスペンスタッチで描かれる犯人逮捕劇。
 犯人を逮捕するために、警察は色々な手を使う必要があるのだ。

現実

 夢の世界がそのまま現実に引き継がれる青年。眠って夢を見て起きると、夢の世界の続きなのだ。
 数々の夢が現実となった青年は、企業の会長で老人となった夢をみた。

 青年に起きた奇妙な出来事を描いた作品。
 不思議な世界を描いたドラマに出来そうだ。

親しげな悪魔

 一人の青年の前に悪魔があらわれた。
 親しげなその悪魔は、三つの願いを叶えてあげると言った。しかも魂もいらないと言う。

 純粋な青年を通して競争社会を嘲笑、もしくは競争社会の否定を嘲笑する作品。
 読みようによっては正反対になるから面白い。

わが子のために

 その男は大きな地方都市の名士。実はこの地区の犯罪組織のボスだった。
 その彼を訪れた弁護士は、彼の息子が人を殺したと告げ、精神異常による犯行とするしか、助ける方法はないと言った。
 男は精神異常の遺伝を根拠づけるため、おかしな言動をしはじめた。

 父子の深い愛情を、弁護士のおのぞみの結末を通して描いた作品。

ある占い

 金に不自由せず育ちのいい若い女は、易者を見つけて占ってもらった。
 彼の占いはことごとく当たり、彼女は彼の言うことを信じるようになった。

 ある人物のおのぞみの結末であるものの、滑稽な結末に苦笑いしてしまう。

おのぞみの結末

 銀行に勤める、まじめだけが取り柄の青年は、高額の現金をおとくいの企業へ届ける業務を命じられた。
 大金を目にした青年は、気を静めるおまじないに「メロンライスにガムライス」とつぶやいた。

 おのぞみの結末を得るために祈りましょう。「メロンライスにガムライス」

空の死神

 落雷によって致命的なダメージを受けた飛行機は、徐々に高度を下げていった。
 スチュワーデスは職責を果たすため、不安に駆られている乗客たちへ声をかけ始めた。

 ある結末をのぞむ、空の死神の正体とは……

要求

 おれは、自分を裏切った女の殺人計画を立てていた。
 しかし、あるとき空飛ぶ円盤が飛来し、地球にある要求を突きつけた。

 サスペンス的物語から一転、SF的物語に切り替わる展開は、そして一つにまとまる物語は、良い意味で奇妙な感覚を受ける。

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星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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