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夜のかくれんぼ ( 星新一 )

 星新一著「夜のかくれんぼ」を読んだ。
 結末に込めた皮肉や嘲笑、隠された真実を楽しむ28編。

夜のかくれんぼ (新潮文庫)
夜のかくれんぼ
著者:星 新一
出版社:新潮文庫
おすすめ度:
Amazon.co.jp で詳細を見る

 お気に入り度:★★★★

 キレのある、アッと驚かされるどんでん返しを期待している人には、少々物足りなく感じるかもしれない。

 本書は、意外な結末を目的とした作品群ではなく、結末に込めた皮肉や嘲笑、隠された真実をクローズアップするために描かれた作品群のように感じた。
 最終行末に『……』を付け、微妙なニュアンスを含んで終わる作品が多い本書は、星新一の数多くある作風の一つをまとめたもの、という特徴を持っている。

 その中から気に入った作品をピックアップ

ある故郷

 一人っ子だった彼は両親を亡くし、孤児となった。
 先祖代々の遺産で金には困らなかったが、なぜか村人の向ける同情の視線が気になって仕方がなかった。

 同情の真実と、彼の秘められた真実が絶妙に組み合わされた作品。
 最終末行の『……』に、真実を語ったものの思いと、真実を知った彼の心境を混在させ、複雑で絶妙な読後感を残している。

自信

 西島正男の部屋に、一人の男がやってきた。
 西島正男と名乗るその人物は、西島正男に自信を持ち、誰もが彼を西島正男と認めるのだった。

 TVの『世にも奇妙な物語』を想起させる作品。
 奇妙な世界をお楽しみください。

はじめての例

 老人は、悪魔を呼び出すことができる、悪魔専門家のところへやってきた。
 悪魔について色々な説明を受けたあと、老人は、彼に悪魔の訪問を依頼した。

 悪魔との契約は、三つの願いの対価として、死後に魂を渡すことが原則。
 老人の悪魔に言った三つ目の『願い』が、なんとも曖昧。
 その曖昧さと悪魔の行動を、スルメのごとく味わってください。

一家心中

 彼は、宣伝に対し謹厳な責任感を持っている。
 彼が惚れ込んで心血を注ぎ宣伝してきた商品は、有害な結果をもたらした。

 とある人物の行動を、商業的尺度で見つめ直した作品。

金の粉

『なにとぞ、この男に金をもうけさせたまえ……』という謎の声がある。
 一方、金銭的にも精神的にも余裕のない、薄汚れたその男は、道で札束が入った箱を拾った。

 謎の声と、金を次々と儲け始める男の謎の真相が、最後に明らかにされるSFミステリー作品。

追われる男

『おまえにテレポート能力をさずける』男は夢の中で神の声を聞いた。
 男は、さまざまな所へテレポートしてみたが、事態は悪くなるばかり。ついにはどこへ行っても追われる者となってしまった。

 神様の男に能力をさずけた真相がなんとも。
 サービス過剰というべきか。

その他収録作品

 こんな時代が、黒い服の男、有名、若葉の季節、支出と収入、未来人の家、不吉な地点、いやな笑い、うすのろ葬礼、黄色い葉、つきまとう男たち、出現と普及、ご用件は、夢のような星、幸運の未来、殺意、背中の音、勝負、手、幸運の方程式、違和感、悪の組織。

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HN:yososuzume
星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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