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蝉しぐれ [ 映画 ] ( 映画 )

 藤沢周平原作、黒土三男監督、映画[蝉しぐれ]を見た。

蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD]
蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD]
監督:黒土三男
出演:市川染五郎(七代目) 木村佳乃 緒形拳 原田美枝子 今田耕司
リリース:2006-04-14
おすすめ度:
Amazon.co.jp で詳細を見る

 お気に入り度:★★★

あらすじ

 牧文四郎と隣に住む「ふく」は幼なじみであり、互いに恋心を抱いていた。
 そんなおり、藩はお世継ぎ問題で二つに割れ、負けた方に与していた牧文四郎の父・助左衛門は、切腹となった。
 牧家の禄は下げられ、文四郎と母は古い長屋に移されることになった。
 ある時、ふくが明日にも江戸に行くことになったことを告げるため、文四郎の住む長屋へ息を切らせてやってたが、文四郎と行き違ってしまう。

 時は経ち、ふくが藩主の側室となるが流産したとの知らせが文四郎に届く。
 そして、文四郎は父の反対派であった家老の里村に呼び出され、元の郡奉行に戻すとの沙汰を受けた。

 その後、ふくは二人目の子とともに海坂の藩主別邸に帰ってきているとの知らせを受け、一度目の流産した原因が世継ぎ関わる政争であることを聞く。
 再び家老の里村から呼び出された文四郎は、ふくの子をさらってくるようにと言い渡される。
 文四郎とふくは、ふたたび政争に巻き込まれていくことになる。


 原作はまだ読んだことがなく、映画の前情報もまったく知らない状態だったので、先入観なしに映画を見ることができた。

 全体的に透明感があるが淡々と物語が進む感じで、文四郎とふくの恋、文四郎と二人の友の友情を描いた映画だと感じた。
 政争に巻き込まれ、闘うシーンもあるが、それも文四郎とふくの恋、文四郎と友の友情をよりクローズアップするものに思えた。
 そのため、淡々と物語が進んでいっているように感じたのかもしれない。

 ラストは映画のクライマックスだけあって、そこに持っていくまでの映像の見せ方や、クライマックスのシーンは印象的ではあるものの、映画の世界にいまいち入り込めず、特に余韻に浸れる部分もなく、恋と友情の映画だったなという感じの映画だった。
 内なるものを見せてくれるかと期待していただけに、ちょっと残念。
 ラストシーンの印象に残った部分は「続きを読む」にて。

 成長したふくを木村佳乃が演じているが、子役のふくが印象に残っており(文四郎が父の遺骸を大八車に乗せて坂道を上がっているとき、坂の上からふくが走ってきて大八車を後ろから押す時の表情が印象的だった)、初めて成長したふくが登場したとき若干違和感を感じた。
 もう少し柔らかさを感じさせる女優の方があっているように思った。

 文四郎の二人の友は、ふかわりょうと今田耕二だが、互いに馬鹿をやっていた気の置けない仲間という感じで、個人的にはうまく役にはまっていたと思う。
 与之助の江戸で学問を極めて帰ってきたという設定だけを考えると、今田耕二なのはちょっと疑問だが。

 今度は原作を読んでみよう。こういう内容だったら原作はかなり余韻に浸れる作品ではないかと期待している。

蝉しぐれ (文春文庫)
蝉しぐれ (文春文庫)
著者:藤沢 周平
出版社:文芸春秋
出版日:1991-07
おすすめ度:
Amazon.co.jp で詳細を見る

 ラストは文四郎とふく、二人だけが語り合う印象的なシーン。
 色々な事件があり、恋心を持つ二人が引き裂かれてしまった。
 藩主が亡くなり、ふくが尼になると決意し、やっと会って語り合う事ができた。

 二人で会っていても、文四郎の話し方はあくまで藩主の側室ふくへ話す遠慮がちなもの。
 ふくは昔話などして、文四郎への思いを話し出すが、文四郎はやはり遠慮がちな話し方。

 そして最後、『ふく、ふく』と昔のように呼びかけ、文四郎もふくへの思いが溢れ出す。
 ここがこの作品の最高潮であり、一番印象に残った部分。
 ここでふくとの思い出の映像が流れるのも印象的だ。

 本当だったら映画を見ているうちに思いがどんどん募っていき、最後の面会のシーンで、思いが溢れ出す、はずだったんだけどそうはならなかったのが惜しい。
 映画のそこここに、文四郎のふくへの思いがもっとあれば気持ちも盛り上がっていったと思うんだけどなぁ。

 ただ、このレビューを書いていてラストだけもう一度見ていたら、ジーンときた。
 きっとレビューを書きながら、思いが募っていたのだろう。

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星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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