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宿命 ( 東野圭吾 )

 東野圭吾著「宿命」を読んだ。
 学生時代互いに競い合ったライバルは、宿命づけられた存在だった。

宿命 (講談社文庫)
宿命 (講談社文庫)
著者:東野 圭吾
出版社:講談社
出版日:1993-07
おすすめ度:
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 読み終わって最初の感想は「面白かった」。
 文庫本の帯にある
「ラストは先に読まないで下さい!タイトルに込められた真の意味。それは最後の10ページまで分からないのです・・・。」
 いつも思うがこういう帯のコメントは小説を面白みを減らしている。なぜ思わせぶりな、内容に影響を与える可能性がある文を入れるのだろう?
 実際には内容に触れていないが、最後はスゴイぞ、スゴイぞという思惑が見えるようでちょっとイラっとする。

「宿命」の裏表紙から

 高校時代の初恋の女性と心ならずも分かれなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。
 男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果たすとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。

 内容は背表紙にある通り、事件がきっかけで二人の「宿命」が紐解かれ始めるが、捜査に展開があるにつれ「宿命」の謎も徐々にあらわになっていく。
 事件にも推理させる部分が含まれているので、事件の展開と宿命の展開の両方が楽しめる。
 話の最後は残ったパズルのピースを埋めるように学生時代ライバルだった男が説明して「そうだったのか」となるので、最後の誰かが一気に謎を説明していくというスタイルが嫌いな人には物足りなく感じるかもしれない。

 ただ読み終えて「あぁ?面白かった、そういう宿命だったのか」と一息ついて解説を読んだが、面白さが萎んでいってしまった。

 内容の面白さは変わらないが、解釈の部分で「ん?」と思う事が書かれていたから。

 それは初版本のカバー見返しの「著者のことば」として記されていたものだそうで、
『・・・前の部分省略・・・。そして今回一番気に入っている意外性は、ラストの一行にあります。・・・以下略』
 の部分と、解説内にあるインタビューした時のコメントで
『ラストの一行は最初から決まっていた』
 の部分。

 最後の一行では『先に生まれたのはどっちだ?』と勇作が聞き、晃彦が
『「君の方だ」と、少しおどけた声を送ってきた。』
 と言っている。

 これをそのまま理解すると「兄は勇作」ということ。(日本では先に生まれたのは弟とする慣習があるが、戸籍法上は生まれた順に記載するので先に生まれたのが戸籍上は兄)
 私はこれをそのまま受け取って「兄だから何?」と思ってしまった。
 今まで晃彦に負け続け、今回の事件では謎を解明しある意味晃彦に勝ったが、美佐子に関しても完敗。
 作者は勇作を兄とした事で、勇作を最後に勝たせたかったのか?
 兄であることが勝つ事となるのは何も無いはずなのに、と思ったが、一つだけあった。
「単純な順番の競争」
 とはいえ勇作が「勝った」と思うほどのものだろうか?
「宿命」のラストが先に生まれて兄だから勝ち、というのもなんだかしょぼ過ぎるので、他の解釈があるのかなぁ。

 ネットで感想を少しばかり見てみたが、最後の一行については褒め言葉ばかりで、どう解釈したのかが書いているものが見当たらなかったので、未だによく分からず。

 この小説を読み進めるにしたがって須貝殺しの犯人が誰なのかという展開が気になりつつも、勇作が気にしているレンガ病院絡みの謎の方が気になっていったので、レンガ病院の謎が解ける終章は一番の面白い部分。
 終章に須貝殺しの顛末もハッキリするが、それほど驚きもなく、「なるほどな」という感じ。
 最後に勇作が謎に思っていたレンガ病院の謎が明らかになる部分では、「電脳」の部分は「うん、そうだったか」とある程度想像できていた部分の謎が解けてスッキリしたところで、「サナエの子供が晃彦」だったのには「そうきたか」と驚き、さらに「もう一人の双子の子供が勇作」だったのは、これまた驚いた。

 やっぱり解説は読まない方が良かったか。

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