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なかよし小鳩組 ( 荻原浩 )

 荻原浩著『なかよし小鳩組』を読んだ。
 オロロ畑の金欠村おこしから一転、金満イメージアップ戦略は大成功?

 お気に入り度:★★★★★

 ユニバーサル広告社シリーズ第二弾。
オロロ畑でつかまえて』での低予算村おこしは思わぬ展開で幕を閉じた。そして、ユニバーサル広告は相変わらず倒産寸前。そこへ大手広告社から億単位の仕事を紹介された。クライアントは建築関係の小鳩組。社員一同大喜び。ところが、蓋を開けてみると、指定暴力団『小鳩組』のイメージアップ戦略というとんでもない依頼だった。

 仕事の相手を知ったユニバーサル広告は、なんとか仕事を逃げようとするのだが、小鳩組のスキンヘッドの男河田がユニバーサル広告に常駐。捕らえた獲物は逃がさない構えだ。どの広告社もヤクザのイメージアップ戦略など引き受ける訳がないから、必死なのだ。
 結局、開き直ってイメージアップ作戦が実行されることになるのだが、つきあい始めると、ヤクザはヤクザでそれなりに色々とあるらしい。スキンヘッドの河田は、子どもの運動会のために長袖のシャツを買い、大卒の組員に先に出世されて悩んでいる。キャラクターこそヤクザだが、それは一般の会社にも当てはめられ、ちょっとだけ同情してしまう。

 イメージアップの企画は、『小鳩組「任侠展」開催』と『小鳩組組員たちの市民マラソン参加』
 この企画が成立するまでもドタバタだったのに、このイベントになるとさらにパワーアップ。ヤクザの怖い面を巧みにユーモラスに仕立て、とことん笑わせてくれる。かと思えば、マラソン大会参加に向けて生まれた、高校の長距離選手だった組員“勝也”と杉山の交流は、なかなか泣かせてくれる。

 全体に、ヤクザとユニバーサル広告のドタバタな交流が中心だが、杉山とサッカー好きの娘との交流も健在。
 前回、バツイチの杉山は、娘に新しい父ちゃん登場でショックを受けつつも、父ちゃん2号はサッカーが下手だと知って、喜んだ。
 そして今回、なんと冒頭から娘が家にやってきた。新しい父ちゃん“カビゴン”とはうまくいってないらしい。そして初めての娘の手料理。すでに杉山の気持ちになっている自分は、なんだか嬉しくなる。
 その一方で、別れた妻に乳ガンが発覚。もう再婚して人妻なのに、心配でしかたない。これって男の未練なんだろうか。いや自分が悪くて別れたんだから、まだ惚れているんだ。乳ガンのことを調べてしまうのは、何にもできないけれど、元妻の病のことを知っておきたい気持ちからだ。
 こんなに優しく、娘にも慕われている夫なのに、なんで離婚したんだろう。アル中だからだった。でも入院を前に、娘を引き取る二人のやり取りを読んでいると、まだやり直せるような気がするんだけどなあ。これって男の未練だろうか。

 ユニバーサル広告シリーズは、この作品以降、長い間出ていなかった。
 こんなに泣けて笑えて楽しめるのに。
 しかし2012年、14年の沈黙を破って、ユニバーサル広告が復活した。


『花のさくら通り』

 次なるクライアントは、閑古鳥が鳴く「さくら通り商店会」
 相手は、一癖も二癖もある商店会の店主たちらしい。
 さて、どんなドタバタが待っていることか。
 そして娘は、元妻との関係は。
 未練タラタラだな、自分。

花のさくら通り
花のさくら通り
荻原 浩
集英社 2012-06-26

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