忍者ブログ

Reading Books [ 書評・ブックレビュー ]

Home > 荻原浩 > 噂

噂 ( 荻原浩 )

 荻原浩著「噂」を読んだ。
 連続殺人犯の正体に迫るサスペンス。最後には衝撃の展開が。

噂 (新潮文庫)
噂 (新潮文庫)
著者:荻原 浩
出版社:新潮社
出版日:2006-02
おすすめ度:
Amazon.co.jp で詳細を見る

※2011/4/26:加筆訂正。

 物語は女子高生の噂から始まる。
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだって。でもね、ミリエルの香水をつけてると狙われないんだって」
 香水の口コミ戦略で広めた噂だったが、噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見される。

 面白い。すぐに物語の世界に引き込まれる。読み終えて、もう一度犯人の登場場面を読むとなお面白い。
 ただ何度か読み返しても、どうにも納得がいかないというか、ズルい部分がある。
 それはこの本の肝であり、帯にも「衝撃のラスト一行に瞠目」と書いてある最後の一行。

 最後の一行「きもさぶ」は確かに衝撃を生む。「なにー!」という驚きに襲われる。
 しかしどうにもズルい感じがしてならない。
 というのも「きもさぶ」という言葉を発した人物の、犯行の伏線が見あたらないのだ。
 つまり最後の一行で犯人を作り上げたしまったわけだ。確かに動機は認められるが、これはズルい。

 それでも面白いと思うのは、この作品が犯人追及型の推理小説でなく、読者のハラハラドキドキを意識して作られた内容、犯人視点と外部視点が切り替わる構成、そして人物描写が上手いからでしょう。

 -------以下ネタバレ-------

 念のため、杖村殺害に関連する部分をピックアップし、伏線の確認してみた。

  1. 最後の一行「きもさぶ」。これで菜摘の犯行確定。
  2. 菜摘が刑事である父親に「ねぇ、見つかった足って、どんなだった。何できられてるの?」と聞いている部分、最終章で「きもさぶ」を言った人物(=菜摘)が「同じふうにしてやった。同じもので、同じように切って……」と言っており、菜摘の犯行が確実に。
  3. よそに泊まるのはもうよそうと父親に言われ、「エリと約束したから今日で最後」と言った菜摘はもしかして、その晩に決行した?しかしそれを断定できる材料はない。
  4. 杖村が、杖村殺害犯であるレインコートを着た人物の顔を見た時の驚き、「あなた、いったい」から、杖村はレインコートを着た人物を知っている。
     レインコートの人物はぴもぴも(登場人物)か。坊主頭のぴもぴもは、杖村の企画した香水のモニター会に参加。他の少女たちは皆、ぴもぴもを覚えており、当然杖村も覚えているハズ。
     また、最後の章で犯人の一人が、杖村の足首を、ぴもぴもがバイトしているヘブンズ・カフェの工場のミンチ機に入れてもらえば……、と言っていることからも、ぴもぴもは確実に杖村殺害現場にいた。
  5. 杖村の死体の周りにあった足跡は23cm二つと24.5cm一つ。菜摘とぴもぴもは23cmだから間違いなさそう。24cmは足の大きいエリ?

 これで一応、菜摘、ぴもぴも、エリ?が杖村を殺害したと思えるが、最後の一行とミンチ機のくだりがなければこの3人が杖村を殺したと想像できる材料がない。
 何度も読み返してみたが、やはり最後の章で無理やりどんでん返しをくっつけたようで、ズルいと思うのだが。

スポンサード リンク

コメント

※本サイトと関連のない内容のサイトのURLが入力され、宣伝行為と判断した場合、コメントを削除することがあります。
名前
サイト(任意)
コメント
※コメント欄に表示されている文は認証ワードになっていますので、削除せずにそのままコメントをご記入ください。

ページトップへ

プロフィール

profile
HN:yososuzume
星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

Twitter:@yososuzumeをフォロー

mail

PR

アーカイブ

ブログランキング

  • 人気ブログランキングへ
  • にほんブログ村 本ブログへ
  • にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
  • にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
  • にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
  • blogram投票ボタン
  • 池波正太郎
  • 藤沢周平作品を語ろう
  • 本好きPeople

Copyright c2008 Reading Books All Rights Reserved
忍者ブログ [PR]