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押入れのちよ ( 荻原浩 )

 荻原浩著「押入れのちよ」を読んだ。
 もの悲しさ切なさブラックユーモアとユーモアが入り乱れる怪談小説9編

押入れのちよ (新潮文庫)
押入れのちよ
著者:荻原 浩
出版社:新潮文庫
出版日:2008-12
おすすめ度:

 お気に入り度:★★★

 解説によると本書に収録されている『押入れのちよ』は、「ジェントル・ゴースト・ストーリー」という怪奇小説の一分野だそうだ。
「ジェントル・ゴースト」とは、呪ったり驚かしたりする悪霊の類でなく、愛着や未練のあまり現れた部類の幽霊。
 収録されている9編の作品は、もの悲しさが漂う作品、ユーモアある作品、昔の怪談風作品など、あまり怖くない様々なジャンルの怪奇小説となっている。

お母様のロシアのスープ

 私たち姉妹に人に見られてもいけないし、見てもいけないというお母様。
 ソビエトの兵に私たちの姿を見られてしまった夜、お母様はお肉のたっぷり入った私たちの大好きなロシアのスープを作ってくれた。
 汚れを知らない姉妹の視点で進められる展開が、結末を切ないものにさせる。

コール

 僕は超常現象研究会「ミステリーサークルズ」で一緒だった美雪と墓参りに来ていた。
 あいつは「先に死んだら必ずサインを送るから。死後の世界から証明してみせる」って言ったんだ。
 ミスリードを誘う爽やかで切ない失恋友情青春物語。

押入れのちよ

 失業中の恵太は格安物件を契約した。駅から徒歩9分、日当たりも良く、風呂付き1DK。
 おまけで付いてきた「ちよ」は就職先のパンフレットに載っている社長の写真を見ていった「この男はだめだな……」
 ちよと恵太の掛け合いが面白いユーモア怪談小説。この作品の長編を読んでみたい。

老猫

 道夫は叔父の秀雄が亡くなり家を受け継いだ。一匹の老猫と一緒に。
 道夫は家の中に漂う猫の異臭に抗議するが、妻と娘はまったく気にも止めていなかった。
 実は道夫も……という物語に背筋がゾッ。

殺意のレシピ

 文彦と久美子は、何年も会話がなく口を開けば口論になる夫婦だった。
 しかしその夜は違っていた。妻の為に用意した魚、夫の為に準備した山菜料理が二人を幸せにする。
 似た者夫婦が繰り広げるブラックユーモアが、いけないと思いつつ笑いに誘う。

介護の鬼

 寝たきりになった義父の介護をしている苑子。苑子は介護を楽しんでいた。
 そして苑子のある言葉によって義父は復活を遂げたのだ。
 ブラックユーモアとサスペンスがブレンドされた展開に息を飲む。

予期せぬ訪問者

 平岩隆三は不倫相手を殺してしまった。こうなったら死体をバラバラにして捨てるしかない。
 そのとき、清掃用具メーカー創業30周年記念サービスとして、部屋の清掃に社員がやってきた。
 星新一を思わせる結末に主人公同様冷や汗が落ちる。

木下闇(このしたやみ)

 幼い頃妹の弥生が行方不明になった。あれから15年、再び訪れた母の実家。
 私は裏庭の大きなくすの木の樹頂近くで何かが動くのを見た。
 神隠し話と怪談話を合わせたもの悲しい物語。

しんちゃんの自転車

 しんちゃんの自転車がやってきた。錆びたペダルの音とブレーキの音とともに。
 しんちゃんはいつもの合図で私の部屋の窓を叩いた。午後11時すぎ、私は部屋を抜け出した。
 体が臭くてもしんちゃんは友達。明るいしんちゃんが逆に涙を誘う。

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星新一と藤沢周平中毒者。
ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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