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母恋旅烏 ( 荻原浩 )

 荻原浩著「母恋旅烏」を読んだ。まさに一気読み。
 大衆演劇役者一家の笑いと涙の物語。

母恋旅烏 (双葉文庫)
母恋旅烏 (双葉文庫)
著者:荻原 浩
出版社:双葉社
出版日:2004-12
おすすめ度:
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 この本のジャンルとしては「コールドゲーム」「噂」といったミステリー小説ではなく、「ハードボイルドエッグ」「メリーゴーランド」などといったユーモア小説の部類に入ると思う。

 今までミステリーものを連続して読んでいただけに、この小説は楽しくストーリーを堪能しながら読むことができたので一気読みしてしまった次第。

「母恋旅烏」の裏表紙から

 レンタル家族派遣業というけったいなビジネスを営む花菱家は、元は大衆演劇の役者一家。父・清太郎に振り回される日々に、ケンカは絶えず借金もかさみ、家計は火の車。
 やがて住む家すらも失い、かつてのよしみで旅回りの一座に復帰することになったのだが・・・・。
 はてさて、一家6人の運命やいかに!?
 刊行時、たっぷりの笑いと涙を誘い、最大級の評価と賛辞を集めた傑作!

 裏表紙のべた褒めの部分はちょっとオーバーかもしれないが、「この家族はどうなっていくんだろう」とついついページをめくるスピードが上がっていき、清太郎と家族のやりとり、清太郎と座員とのやりとりが面白くも暖かく感じられた。
 このあたり「ハードボイルドエッグ」や「メリーゴーランド」などに通じる面白さで、久々にすっきりと読み終え余韻を楽しむことができた。

 この本で展開が一番きになったのが、団之助の息子花之丞率いる関東巡業の一座で演劇に復帰した時、花之丞の芸術と称する学芸会なみの演劇に直面したとき、それとどう闘っていくのかあるいはどう折り合いをつけていくのかという部分。

 団之助を頭に浮かべながら、いつ花之丞とぶつかるのかを楽しみに読み進めていたが、劇場からのダメだしというある意味チャンスが来たときにはガンガン畳みかけると思いきや、そこらへんは気を利かせながらもプレッシャーをかけていくのも思った展開とは違い、面白く読んで行けた。

 ちょっと残念だったのが、太一と寛二とヤクザのくだり(6章の最後)で「その時の太一はまだ知らなかったのだ。寛二がセリフ覚えの天才であることを。」とあったが、特にセリフ覚えの天才と思わせる部分がなく、また最終章の17章で団之助が「口もきかんうちから、所作しとった子やな。やっぱりわしの目に狂いはなかったで、ええ役者になった。」と寛二にいう場面があったが、それらしい描写もなかった事。
 寛二がどう大化けしていくのかも楽しみであっただけにちょっと残念だった。
 うまく笑いをとっていたりする部分はあるが他の役者よりずば抜けていいという表現がないのでそう思ったが、もしかしたら違う意見もあるかもしれない。

 後半で寛二の母親(清太郎の妻)が、清太郎に愛想をつかし出ていくが、寛二が最後にテレビカメラに向かってきょろりと目を動かしたりなど、母親の事を思う部分は伝説の演劇『母恋旅烏』とダブった。
 これがタイトルを「母恋旅烏」にした理由なんだろうなぁ。

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ミステリー・サスペンス、ホラー、歴史人物、ユーモアなど幅広く読んでいます。

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