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誘拐ラプソディー ( 荻原浩 )

 荻原浩著「誘拐ラプソディー」を読んだ。
 人生に行き詰まり子供を誘拐した男が繰り広げる逃走劇が魅力の痛快ユーモア小説。

誘拐ラプソディー
誘拐ラプソディー
荻原 浩
双葉社 2004-10

by G-Tools , 2011/01/26

あらすじ

 借金と前科だけで根性なしの伊達秀吉は、面倒を見てくれていた工務店の親方を殴ってわずかな金と車を奪って逃走した。
 自殺しようとするもののなかなか踏ん切りがつかず、いつのまにか奪った車の中で寝ていた伝助を誘拐することを思い立つ。
 しかも伝助の家はかなりの金持ちらしい。
 賭け事で負けっぱなしの秀吉は、今までの負けを帳消しにするとんでもないツキが巡ってきたと大喜びするが、ヤクザ、チャイニーズマフィア、警察に追われるという「とんでもないツキ」だった。

感想

 まず、のっけから小説に引き込まれる。
 死のうとするが死にたくないので理由をつけてしなない、まるで子どもが夏休みの宿題を明日から、また明日からと宿題を先延ばしにしているようで、ここで伊達秀吉がどんな人物かが自分の中でできあがる。

 秀吉と伝助が仲良くなっていく場面、伝助を取り戻そうとする伝助の親である八岐組の組長や八岐組の組員たちの奔走、八岐組に復讐しようとある計画を立てているチャイニーズマフィア、そして最後に秀吉を目の色を変えて追いかける刑事。
 次から次へと話が展開していき、まったく飽きない。 そして一気読みしてしまった。

 ヤクザやチャイニーズマフィアは「なかよし小鳩組」のノリ。
 秀吉のドジさと優しさは「ホードボイルド・エッグ」の主人公を思わせ、伝助は「母恋旅カラス」の寛二を思わせる。

 これらの作品が好きなら読んで間違いはない作品だと思う。

なかよし小鳩組
なかよし小鳩組 (集英社文庫)
おすすめ度:
ハードボイルド・エッグ
ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)
おすすめ度:
母恋旅烏 (双葉文庫)
母恋旅烏 (双葉文庫)
おすすめ度:
著者:荻原 浩
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出版日:2003-03
著者:荻原 浩
出版社:双葉社
出版日:2002-10
著者:荻原 浩
出版社:双葉社
出版日:2004-12
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 小説のはじめに秀吉の自殺しようと奮闘?する部分があるが、死ぬしかないけど死にたくないから色んな言い訳を作っている様子が目に浮かぶ。
 親方を殴って、もう自殺しかないと思いこむも、自殺を失敗したらいけないからと、首をつる桜の木の枝を折れるまで引っ張ってみたり、傾斜のついた崖から飛び降りるため、斜面の途中に落ちないように遠くへ飛ぶための練習をして疲れ、飛び降りを断念したり・・・
 はじめから小説の世界に引き込ませてくれた。

 行き当たりばったりで誘拐した秀吉を実は知能犯ではないかと疑い、組員を動員して必死になって捕まえようとする八岐組の場面はハラハラドキドキ、秀吉立場に立ってみたり、八岐組の立場に立ってみたり、色々な立場で楽しめる。
 そしてある程度話が一段落すると、今度はチャイニーズマフィア。
 伝助が王宗華の死んだ英傑にそっくりなのかと思いきや、秀吉がそっくりなのはちょっとしたサプライズ。
 最後に伝助を返して終わらず刑事の息子も事実上誘拐してしまう展開は想像できず、まだ話が進むのかと嬉しい誤算。

 最後は刑事が登場して秀吉は助かるとは思っていたが、それは伝助が機転を利かせた結果というところがニクい展開。
 裏表紙にある通り『たっぷり笑えてしみじみ泣ける』物語だ。

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