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怪魚ウモッカ格闘記―インドへの道 ( 高野秀行 )

 高野秀行著『怪魚ウモッカ格闘記―インドへの道』を読んだ。
 UMAの呪いか自業自得か。それともウモッカの祝福か。

 お気に入り度:★★★

怪魚ウモッカ格闘記 内容紹介(裏表紙より)

 探し物中毒の著者は、ある日、インドの謎の怪魚ウモッカの情報を入手、「捕獲すれば世紀の大発見!」と勇み立つ。ルール無し、時間制限無しの戦いが始まった。次々と立ちふさがる困難を砕き、著者は進む。地元漁民の協力を仰ぐための現地語学習、捕獲したときの移送ルートや鑑定できる学者の確保。ついに怪魚探しの秘密兵器を手にインドへ。しかしそこには予想を超えた展開が!奇想爆走ノンフィクション。

 ウモッカとは、とあるUMA(未確認不思議動物)交流サイトで有名になった謎の怪魚である。
 未知には興味があるものの、オカルトめいたUMAには興味のない著者が、ウモッカ探しに名乗りを上げたのは、その信憑性だった。

 一つは、UMAサイトの常連の一人がインドを訪れたときに目撃したものであること。
 もう一つは、ウモッカの簡単なスケッチを元に、魚や生物に詳しい科学的知識を持った常連者が議論を交わしていること。
 つまり、オカルトめいた要素など一つもなく、シーラカンスのような世紀の大発見になる可能性がある魚だということだ。

 著者は、いつものように在日インド人に現地語を習い、綿密な計画と万全の状態でインドに望んだのだが、インドに入った途端、トラブルに見舞われる。なんとインドに入国できなかったのだ。
 そもそもの原因は、悲惨で過酷で滑稽な冒険記『西南シルクロードは密林に消える』での行動なので、自業自得と言えなくもない。
 ところが、一緒にインドへ行った友人にも数々のトラブルが。

 UMAとは関係ないが、エジプトにミイラやアイスマンなどの発掘で、調査員が次々と急病や事故に遭い、呪いではないかと話題になったという。もしかしてウモッカの呪いか、と著者はおののく。たしかにウモッカと関係ないトラブルが重なると、どうしても呪いに結びつけてしまう。
 しかし、そもそもの始まりは、著者の自業自得のインド入国拒否だ。もしインドに入国できていれば、彼らの運命は変わっていたかも知れない。
 果たして、数々のトラブルの原因は、UMAの呪いだろうか、自業自得だろうか。

 ウモッカに関わり、数々のトラブルで目的を果たせなかった著者だが、作家としての恩恵もあったはず。
 目的を果たせなかったのに本書が刊行できたこと、そしてインド入国祈願と称して、自転車で東京から沖縄へ向かいながら神社仏閣でインド入国祈願をするという旅を綴った『神に頼って走れ!―自転車爆走日本南下旅日記』を出版できたこと。
 さらに、今回の事件の発端となった『西南シルクロードは密林に消える』も売れたことだろう。

 これは、もうウモッカの祝福があったといってもいいのではないか。

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